2019年2月20日
特殊シルクプリント #3 内側透けプリント
内側(裏側)透けプリントを紹介します。これは専用インクを使い内側(裏側)からデザインが見えるようにする技法です。カラーインクもありますので多色プリントも可能です。但し、最大のデメリットもあります。透ける為には濃色生地(黒など)ではこの方法が出来ません。写真のようにナチュラルなどの淡色bodyで、濃いめのプリント色にすれば透けて視認出来ると思います。
アパレルさんやツアーグッズとして、少し変わった商品になると思いますし、コスト的にもさほど高くない物ですから他社との差別化を図る材料になるのではないでしょうか?一時期古着風のテイストがもてはやされ、カッレッジ風やひび割れプリントなど流行りましたね。この技法もその時代に開発したものですが、それほど多くの方々に知れ渡ってないと思いまして、改めて紹介しました。
この技法はインクの特徴を活かしたものです。それに対して様々な道具を使ったり、既成概念を破って違う方法論で新しい価値を生み出す方法と、大きく分けて2種類があります。前2回はこの後者ですが、まだまだ技法の種類はあります。おおむねインク系はそれほどコストは掛かりませんが、道具(冶具)系は手間がかかるためどうしてもコストに跳ね返ってきます。その辺が我々プリント屋の課題だと認識してますが、知恵と工夫を持って新たな技法の開発に取り組んでいきたいと思います。
長年この業界に携わっておりますと、デザインの流行り廃りを感じます。多色や光物が流行ったかと思うとそれに飽きたのかその反動の単色や渋いプリントに人気が出てきたりします。これの繰り返しなのでしょうが、ここの所多色や反射プリントなど派手系が復活してきている様に感じます。しかし、個人的な見解ですが、ヒカリ系はしぼむのも早いと思います。そこで先駆けとしてこんな渋い技法で古着テイストの商品企画は如何でしょうか?
是非アイテムの一つとして取り入れてみてください。