2021年5月08日
PVC素材に対するプリント
簡単に言えばカッパ(合羽)へのプリントです。
基本的には出来るのですが、その機能性から当然撥水加工もされてます。水を弾くのですから、インクも付かないのが当然ですよね。
この相反する命題をつきつけられるのが、防寒防水のジャンバーなどです。
PVC専用のインクもあるにはあるのですが、非常に使いにくい特性をもってます。
顧客様から依頼を受けてまして、なるべくならこれを使わない方法がないかと試してみました。
ポリエステルとナイロン用の代用インクでプリントしてみましたが、問題ない様です。ただ、今回の素材は熱に弱くご覧のように表面にダメージを受けてしまいます。
実は長いこと繊維メーカーさんとインクメーカーさんの仁義なき戦いがあるのです。
一方は何物も寄せ付けない技術を追求した素材を開発して、片方は何者にも印刷してみせると頑張っているわけです。昔NHKでやってた鉾と盾のようなものです。
我々としては無論、プリント出来なければ仕事にならないので、インクメーカーさんに頑張ってもらいたい所です。
しかし、現在の所2対8くらいで素材メーカーさんの勝ちでしょうか。
新たな素材開発にインクメーカーは追いついていけてないのが実情ではないでしょうか。
今回の実験でもわかりましたが、魔法ではないまでも、ある程度対応する助剤でこなしてるのが現状です。個人的感想としてはこの助剤で頑張ってるじゃんと思ってます。
「ナイロン素材にプリントした物はいずれ剥がれますよ!」
と、言いながら受けてる現状はプリント屋としてはやはり心苦しいです。
ある程度(ある期間)プリントされてるから良しとの現状は改善したいですね。
素人考えですが、この命題を解決するインクは必ず出来ると思います。
現在、そう言うもんだよとの認識が業界にあるので、インク開発が進まないのかと思います。
つまり需要の問題だと感じます。あちらこちらからこの問題が提起されれば、インクメーカーも本気で開発すると思います。
今回のお客様からもこれがクリア出来れば、新たな需要がありますとの事を聞かさらてますので、更に色々試したいきたいと思います。
現場の情報を上げていきますので、色々試行錯誤してみて下さいね。メーカーさん。